キャンペーンの趣旨

心筋梗塞は、一旦発症すると致死率約40%の非常に怖い病気です。

心筋梗塞で入院した人の院内死亡率は10%以下で、入院後の予後は良好ですが、心筋梗塞による死亡の多くは、入院する前におこります。そのため、心筋梗塞を一旦発症した人を助けるためには、一刻も早い救急搬送や、AEDの活用が重要ですが、それでも救命が難しい場合も多くあり、発症を予防することが重要です。

幸い、心筋梗塞患者の約半数は、発症前に前兆を自覚していることが知られており、この前兆の時点で治療すれば、心筋梗塞の発症を防ぐことができます。

そこで、この前兆の存在を広く知ってもらい、前兆を感じたらすぐに病院へ行くようにできれば、その人達が心筋梗塞を発症するのを防ぐことができます。この目標が完全に達成できれば、心筋梗塞患者を半分に減らすことができます。このための広報・啓発・教育活動がSTOP MIキャンペーンです。

1.「心筋梗塞は怖い」

心筋梗塞は突然死につながる非常に怖い病気です。
厚生労働省のデータでは、心疾患はがん(悪性新生物)に次いで死亡原因の第2位で、その頻度は増加しています。

そのなかでも、年間約4万人の人が心筋梗塞で亡くなっています。また、日本循環器学会の調査では、年間約69000人の人が心筋梗塞で入院しています。

入院後に亡くなる人は約6000人で、残りの約34000人は入院前に亡くなっています。すなわち、一旦心筋梗塞を発症すると約40%という高い確率で死に至っていることになります。

ただし、無事病院にたどり着くことができれば、最新の医療により約90%の人が助かりますので、発症からいかに早く病院に行くことができるかが、生死を分けることになります。

2.「心筋梗塞はどんな病気?」

私たちの心臓は体内で一番の働き者です。24時間休むことなく全身に血液を運ぶためのポンプとして、1日に約10万回も収縮と拡張を繰り返しています。体内の臓器は血液が運んできてくれる酸素と栄養が必須であり、まさに心臓は命の大黒柱です。

そんな心臓自体も当たり前ですが、酸素と栄養が必要です。心臓の筋肉である心筋に血液を送るのは冠動脈の仕事です。冠動脈は、直径がわずか2〜4mmの血管で、太い枝は3本しかありませんが、心筋に酸素と栄養を送る大切な血管です。

心筋梗塞はこの冠動脈が完全に詰まって、心筋への血液がストップする病気です。その結果、心筋への酸素と栄養も途絶えることになり、心筋の細胞は壊れはじめ、心筋梗塞になります。

3.「心筋梗塞の前兆」

【前兆の特徴】
●胸の痛み、圧迫感、紋扼感
●胸やけ
●腕・肩・歯・あごの痛み
●数分〜10分程度で完全に消失する
●繰り返すことが多い
●階段や歩行等の労作で出現・増悪することがある
●圧迫や体位、深呼吸によって出現する場合、前兆の可能性は低い
●一瞬〜数秒で消失する場合、前兆の可能性は低い
心筋梗塞は非常に怖い病気ですが、その発症前に「前兆を約半数の人で認めます」

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