1.「心筋梗塞は怖い」

心筋梗塞は突然死につながる非常に怖い病気です。
厚生労働省のデータでは、心疾患は、がん(悪性新生物)に次いで死亡原因の第2位で、その頻度は増加しています。


そのなかでも、年間約4万人の人が心筋梗塞で亡くなっています。また、日本循環器学会の調査では、年間約69000人の人が心筋梗塞で入院しています。


入院後に亡くなる人は約6000人で、残りの約34000人は入院前に亡くなっています。すなわち、一旦心筋梗塞を発症すると約40%という高い確率で死に至っていることになります。

ただし、無事病院にたどり着くことができれば、最新の医療により90%以上の人が助かりますので、救急車を呼んで一刻も早く病院へ行く事が、命を守るためには非常に大切です。

しかしながら、もし心筋梗塞の発症を予防する事ができれば、より確実に心筋梗塞による死亡を防ぐ事ができます。

生活習慣病といわれるように、心筋梗塞の発症を予防するためには、生活習慣を改善することが最も大切です。心筋梗塞の発症リスクを高める、高血圧、高コレステロール血症、糖尿病などを持っている場合には、これらを十分に治療することが大切です。しかし、それでも心筋梗塞を完全に予防することは難しく、多くの人が心筋梗塞で命を落としているのが現状です。

心筋梗塞は何の前触れもなく発症するから怖いとよく言われますが、約半数の人では、心筋梗塞を発症する前に「心筋梗塞の前兆(=不安定狭心症)」を認めることが知られており、前兆の時点で治療すれば心筋梗塞の発症を予防する事ができます。
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自分の命を守れるのは自分だけです。心筋梗塞およびその前兆についての正しい知識を身につけて、もし「心筋梗塞の前兆かも」と思ったら、迷わずにすぐに病院へ行けるように日頃から心がけて下さい。
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